数ある診療科の中で、なぜ泌尿器科医を目指したか?~泌尿器科の魅力を語ります!
皆様、こんにちは。
みうら泌尿器科クリニック院長の三浦徹也です。
この度は当院ホームページをご覧いただきありがとうございます。
このコラムでは、皆様に有益となるような病気の情報を中心に、あまり知られていない医療の裏側など、皆様の興味が湧くような内容を書いていこうと思います。
第一回目のコラムで、私が医師を目指すようになったきっかけを中心に、私の自己紹介をさせていただきました。
今回は、数ある診療科の中で、私が泌尿器科を選んだ理由について、泌尿器科の魅力とともに紹介させていただきます。
「泌尿器科」「ひにょうきか」
あまり良い響きではないですよね、、
世間一般の泌尿器科のイメージはどんな感じでしょう?おそらく、「男性のシモを診る科」みたいなイメージで思われていることが多いのではないでしょうか。
日常的に私がよく遭遇するシーンを再現します。
「ご職業は何ですか?」
『医師です。』
「大変な仕事ですね。何科の先生ですか?」
『泌尿器科です。』
(少し間をおいて、、)
「へぇー、なぜ、また泌尿器科を選ばれたのですか?」
このパターン、本当に多いんです。おそらく、「内科です。」と答えると、「なぜ、また内科を選ばれたのですか?」のような質問をされることはあまりないと思います。しかし、泌尿器科と答えると、本当によく理由を聞かれます。理由を聞く以外にそこから話を広げることができないほど皆、泌尿器科が何をしている科か詳しく知らないのでしょう。
この質問が来ましたら、私は、
『話が長くなりますが、いいですか?』と前置きし、相手の反応を見て話を聞いてくれそうなら、泌尿器科を選んだ理由を熱く語り出します。
今回のコラムでも、泌尿器科を選んだ理由、泌尿器科の魅力を語らせていただきます。話が少し長くなりますが、、、
診療科には大きく分けて2つの種類があります。内科系と外科系です。手術をする診療科をまとめて外科系といいます。泌尿器科はまぎれもなく外科系です。前回コラムでも紹介しましたが、私は「振り返れば奴がいる」というドラマの外科医に憧れて医師を目指したので、外科系に進むことは決めていました。一方で薬物治療や抗がん剤治療などの内科的な治療を学ぶ中でそちらにも興味を持ち、外科と内科どちらの要素もある診療科に進みたいと考えました。しかし、メジャーな診療科には基本的に外科と内科が別個で存在します。消化器内科-消化器外科、循環器内科-心臓血管外科、神経内科-脳神経外科のようにです。これらの診療科では外科に進むと手術はできますが、抗がん剤などの内科的な治療は内科が担当することが多いです。
泌尿器科はマイナーな診療科ですが、外科と内科の要素を兼ね備えた数少ない診療科の一つです。当然、泌尿器がん(腎臓がん、膀胱がん、前立腺がんなど)の手術もしますし、泌尿器がん患者さんで初診時から転移があり手術ができないような患者さんにも泌尿器科が抗がん剤治療を担当し、手術後に再発をした場合も泌尿器科で抗がん剤治療を行います。また、前立腺肥大症や過活動膀胱、膀胱炎などの尿路感染症や性感染症などのいわば内科的な疾患の薬物治療も行います。つまり、泌尿器科は腎臓・膀胱・前立腺、男性生殖器などの腎泌尿器生殖器系臓器の疾患において、手術や抗がん剤、薬物治療まですべてをこなせるエキスパートです。がんの手術後再発しても抗がん剤、薬物治療も全部自ら治療でき、患者さんの一生を見ることのできる素晴らしい診療科なんです。
分かっていただけましたでしょうか?
もっと、簡単に言いますと、胃癌は消化器外科で手術しますが、胃炎は消化器内科で治療しますよね。泌尿器科は膀胱がんも膀胱炎も治療します。
また、胃や大腸などの内視鏡は消化器内科で行い、がんの内視鏡治療も消化器内科で行います。しかし、消化器内科の先生が胃の摘出手術をすることはできません。がんが進行し内視鏡手術で対応できない場合は、消化器外科の先生に胃や大腸の摘出手術をしてもらいます。
一方、泌尿器科では、例えば、膀胱がんでは内視鏡手術も行いますし、内視鏡手術で対応できない進行がんでは膀胱の摘出手術も泌尿器科で行います。
このように、泌尿器科医は、腎臓・膀胱・前立腺、男性生殖器に関しては、他の誰にも手を借りないで、診断から薬物治療、内視鏡手術から臓器摘出手術まですべての治療を自らの手でできるエキスパートなんです。
このように、患者さんを最初から最後まで自ら治療できることに大きな魅力を感じ、私は泌尿器科医の道に進むことを選びました。
泌尿器科のイメージ変わりましたでしょうか?
でもやっぱり、「ひにょうきか」って響き悪いですよね。もっと良い名前があればいいのに、、
ちなみに、医療関係者の中では泌尿器科の愛称は「ウロ」です。泌尿器科を英語ではUrorolgy 「ウロロジー」と言い、これを略して皆、我々のことを「ウロ」と言います。「ウロの先生来たよ」とか「ウロ科にいきなさい」とか。「ウロ、ウロ」となんか、この響きも少し馬鹿にされているようですよね、、、
みうら泌尿器科クリニック
三浦徹也