陰嚢が腫れている
陰嚢が腫れる病気として、次の4疾患があげられます。
①陰嚢水腫
②精巣上体炎
③精巣がん
④陰嚢浮腫
触って痛ければ、精巣上体炎の可能性が高いです。また精巣上体炎では発熱を伴うことが多いです。
陰嚢水腫と精巣がんは鑑別は難しいです。
陰嚢が腫れた場合に一番注意すべきは精巣がんですので、精巣がんではないかどうかを超音波検査でしらべる必要があります。
陰嚢が腫れた場合に行う検査
①尿検査
尿に細菌がいないかどうかを調べます。
②陰嚢超音波検査
精巣がんの鑑別に必要です。
精巣上体炎、精巣がんに関しては、疾患別ページで詳しく説明していますので、下記リンクからご覧ください。
ここでは陰嚢水腫と陰嚢浮腫について説明します。
陰嚢水腫
文字通り、陰嚢内に水がたまる病気です。原因は不明です。陰嚢超音波検査をすれば容易に診断できます。特に陰嚢に水がたまったからと言って身体に影響はありません。ただ、たまった水が多いと邪魔になります。治療は穿刺もしくは根治手術です。
①陰嚢水腫穿刺
外来で簡単にできます。陰嚢皮膚から陰嚢水腫に細い針を刺し注射器でたまった水を抜きます。いったんよくなりますが、必ず再発するため、また貯まったら穿刺しなければなりません。たまる速度は人によって違います。大体3-6か月おきに抜きに来る患者さんが多いです。
②陰嚢水腫根治術
腰椎麻酔で行う根治手術です。入院が必要になります。
陰嚢浮腫
陰嚢皮膚のむくみで、陰嚢が腫れたと泌尿器科に来られることがあります。基本的には浮腫であり、ほとんどは心臓の病気、心不全の患者さんに起こります。陰嚢にむくみが来る場合は、心不全が重症の場合が多く、速やかに内科専門医を紹介させていただきます。