精巣上体炎
精巣上体炎とは尿道から侵入した細菌が精子の通り道をさかのぼって精巣上体まで到達して繁殖することにより生じる尿路感染症です。
尿路感染症のページも同時にお読みいただけますと、より一層理解が深まりますので、そちらもご参照ください。
精巣上体とは
その名の通り精巣の上に帽子のようにくっついた臓器で、精子の通り道です。精巣で作られた精子は精巣上体を経て精管という細い管を通り尿道まで到達し、射精時に尿道から排出されます。この精子の通り道を細菌が逆流していき、精管を通って精巣上体まで到達し感染症を起こします。精巣は固い膜に守られており、細菌が精巣まで到達することは困難で精巣上体で繁殖し感染症を引き起こします。
精巣上体炎の症状
陰嚢内が腫れる
陰嚢が痛い
発熱がある
精巣上体炎が起こると、精巣上体が腫れるため、陰嚢が大きくなり腫れます。そして著明な陰嚢内の痛みを伴い、多くの場合発熱を伴います。
精巣上体炎の診断
泌尿器科専門医であれば、陰嚢内の触診にて容易に診断がつきます。
原因菌の特定のため、尿検査、尿培養検査、重症度判定のため採血検査、精巣がんなどの除外のため陰嚢超音波検査が必要になります。
精巣上体炎の原因
①膀胱炎や前立腺炎と同じく大腸菌が尿道から侵入して起こる
②性感染症で起こるクラミジアや淋菌が侵入して起こる
の二つがあります。高齢者では①が多く、若年者では性感染症の可能性も考えなければいけません。
精巣上体炎の治療
原因菌に則した抗生剤の投与が必須です。
発熱があり重症な場合は、点滴抗生剤の投与や入院による治療が必要になる場合もあります。