メニュー

子宮頸がんワクチン HPVワクチンについて

子宮頸がんは、ワクチン接種により予防できる可能性のある数少ないがんの一つです。

我が国における子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種の現状

世界では接種が当たり前となっている子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)ですが、我が国での接種率は1%未満となってしまっています。

2007 年に世界で最初にオーストラリアが子宮頸がんワクチン公費助成を開始し、現在では接種費用を公費で助成する国は70か国以上にのぼっています。WHO(世界保健機構)も子宮頸がん予防ワクチンに関し安全性情報を検証した上で、接種を推奨しています。実際に子宮頸がんワクチンを導入した国では、すでに浸潤子宮頸がんの減少が報告されています。

我が国でも、2013年に子宮頸がんワクチンが定期接種の対象となり、接種率は、70%以上となりました。しかし、その後子宮頸がんワクチンによる副作用の可能性のある症状を呈する少女たちがTV等で大々的に報道されたため、世論の影響をうけ、厚生労働省は『子宮頸がんワクチン接種への積極的勧奨の中止』としました。それによりわが国での接種率は1%未満まで減少してしまいました。しかし、現在でも定期接種の対象のワクチンであり、すべての自治体で対象者は公費助成により無料で接種が可能です。

当時、連日マスコミにより報道されたような症状について、その後、厚生労働省が調査し、その結果、マスコミで報道されたような多様な症状の原因が子宮頸がんワクチンであるという科学的証拠がなく、子宮頸がんワクチンとの関連は否定されています。しかし『積極的勧奨の中止』によりその存在すら認識されなくなり、現在は接種率1%未満となっているのが現状です。以前よりも若者の性的活動が活発である現在、ワクチン接種率が現状のままであると将来の子宮頸がん発症率の上昇も危惧され、日本産科婦人科学会を中心にHPVワクチン接種推進に向けた見解を日本小児科学会などを含む17の予防接種推進専門協議会の関連学術団体とともに、国内外に発信しています。

国内では年間1万人超が子宮頸がんに罹患し、約3000人が亡くなっている。現在の接種率が続くと、今後50年で国内の計5万5800〜6万3700人が子宮頸がんに罹患し、9300〜1万800人が死亡するというショッキングな試算もあります。

当院でも、先進国の中で我が国だけが、多くの女性が子宮頸がんで子宮を失ったり、命を落としたりするという不利益が、将来的に起こらないよう子宮頸がんワクチン接種に対する啓蒙活動を行っていこうと考えています。

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染と子宮頸がん

子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で、性的接触により感染します。逆に言えばHPVに感染しなければ子宮がんの発症率を減少させることができるわけです。感染経路的には、性感染症の一種といっても過言ではありません。HPVはごくありふれたウイルスで、性交渉の経験がある女性のうち50%~80%は、HPVに感染していると推計されています。性交渉を経験する年頃になれば、男女を問わず、多くの人々がHPVに感染します。HPVに感染しても症状がないため、自己での予防は困難です。HPVの中で発がん性HPVに感染した一部の女性が将来高度前がん病変や子宮頸がんを発症することになります。HPVに感染してから子宮頸がんに進行するまでの期間は、数年~数十年と考えられます。

子宮頸がんは、ワクチン接種により予防できる可能性のある数少ないがんの一つです。

子宮頸がんの一歩手前である前がん病変の予防に対するHPVワクチンの有効性と効果は、これまでに示されてきました。しかし、浸潤(進行性)子宮頸がんの発症率に対するワクチンの効果についてのデータについては不足していました。しかし、2020年にスウェーデンから重要な論文が発表されました。これは国家規模での調査において、HPVワクチン接種により浸潤子宮頸がん発症率が減少したというエビデンスレベルの高い報告です。この報告では、10-16歳にHPVワクチンを接種すると、接種しなかった人より浸潤子宮頸がんの発症率が88%減少し、17-30歳で接種しても53%減少したとしています。( Lai J et al .N Engl J Med. 2020)   HPVワクチンの子宮頸がん発症に対する高い効果が示されたことになります。子宮頸がんは、ワクチン接種により予防できる可能性のある数少ないがんの一つです。

HPVワクチンは尖圭コンジローマも予防します。

HPVワクチン、とくに当院で接種可能なガーダシル🄬は性感染症の一つ尖圭コンジローマへの予防効果も示されています。尖圭コンジローマは、発症してしまうと性感染症の中でも精神的ストレスの強い感染症です。また、発症すれば根治は困難で再発を繰り返してしまいます。(→尖圭コンジローマの詳細はこちら) 

ガーダシル🄬は男性に対しても尖圭コンジローマに対して予防効果が示されており、海外では男性に対しても接種が推奨されています。

HPVワクチン接種対象者

神戸市では以下の対象者が公費助成(無料)による接種の対象となります。

接種日現在、神戸市に住民登録があり、

小学校6年生(12歳となる日に属する年度の4月1日)から高校1年生相当(16歳となる日の属する年度の3月31日)までの女子の方

 

標準的な接種年齢:中学1年生に相当する年齢(13歳となる日の属する年度の当日から年度の末日までの期間)

〇16-26歳の女性に対しても予防効果が示されており、接種が推奨されています。(公費助成はなく、全額自己負担となります。)

〇27-45歳の女性では予防効果が部分的であり、強い推奨ではありません。(公費助成はなく、全額自己負担となります。)

〇46歳以降はHPVワクチンの有効性が証明されていないため推奨されていません。

〇2020年12月、とうとうわが国でも男性へのHPVワクチン接種が可能となりました!! (公費助成はなく、全額自己負担となります。)

当院での接種方法

当院では、子宮頸がんに対する予防効果の高いエビデンスがある4価ワクチンガーダシル🄬の接種が可能です。ガーダシルは尖圭コンジローマの予防にも効果があり、わが国では唯一男性にも接種可能なワクチンです。

公費助成の対象外年齢の女性や男性への接種は全額自費となります。当院での価格は1回 18000円(税込) 3回セット 50000円(税込)です。

接種をご希望の方はお電話にて接種日をご予約ください。ガーダシルについての説明をご希望の方はご来院いただければ院長から説明させていただきます。

接種方法と接種スケジュール

接種方法は筋肉内注射となります。(新型コロナワクチンと同様の方法)接種後30分程度安静にしていただきます。

接種回数は3回接種です。

接種間隔:1か月以上の間隔をおいて2回注射した後、2回目の注射から3か月以上の間隔をおいて3回目を注射する

標準的な接種方法:2か月の間隔をおいて2回注射した後、1回目の注射から6か月の間隔をおいて3回目を注射する

新型コロナワクチンを接種される場合は、下記の2点にご注意ください。

  1. コロナワクチンと他のワクチンは同時に接種できません
  2. コロナワクチンの接種前後に他のワクチンを接種する場合は、互いに、一方のワクチンを受けてから13日以上の間隔をおくこと(2週間後の同じ曜日から接種可能)としています

ガーダシル接種に伴う副作用

頻度10%以上   注射部位の痛み、腫れ、赤み

頻度1-10%     頭痛、発熱、注射部位のかゆみ

頻度0.1%-1%未満  硬結、四肢痛、筋骨格硬直、腹痛、下痢

頻度不明     疲労、倦怠感、失神

ごくまれに起こる重い副反応としては、下記のとおりです。

  • アナフィラキシー:呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアレルギー
  • ギラン・バレー症候群:両手・足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気
  • 急性散在性脳脊髄炎(ADEM):頭痛、嘔吐(おうと)、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気
  • 複合性局所疼痛症候群(CRPS):外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気

 

文責 みうら泌尿器科クリニック 院長

三浦徹也(日本泌尿器科学会専門医、性感染症学会認定医)

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME