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在宅自己導尿管理を要する患者さんへ・尿道留置カテーテルを留置中の患者さんへ

在宅自己導尿管理を要する患者さんへ

当院では自己導尿管理・指導を行っています。自己導尿管理を要する患者さんは定期的な泌尿器科への受診が生涯必要になる患者さんもおられると思います。当院ではできる限り待ち時間を減らすべく、当日ネット順番予約システムを導入しており、できる限りスピーディーな対応を心がけております。近隣にお住いの患者さんや遠方まで通院しておられる患者さんで当院での管理のご希望がありましたら、お気軽にご相談ください。

尿道留置カテーテル(バルーンカテーテル)管理を要する患者さんへ

尿道から留置されたバルーンカテーテルを留置中の患者さんでカテーテル交換をご希望の患者さんは、当院で交換可能ですので、お気軽に当院にご相談ください。当院はビル1Fで院内バリアフリーの設計ですので車椅子の患者さんも受診いただけやすい環境となっています。

また、往診によるカテーテル交換をご希望の場合は、近隣の患者さんは対応させていただきますので、一度お電話もしくは来院にてご相談ください。

これから自己導尿を導入する患者さんへ

自己導尿とは

なんらかの原因で尿を出すことができなくなったり、尿は何とか出せるが出した後も膀胱の中に多量の尿が残存してしまっている場合に、膀胱に残った尿を体の外に出す手段として「自己導尿」があります。

自己導尿とは、患者さん自身が自らの手で尿道から膀胱内に細い管(カテーテル)を挿入し、尿を体の外に排出する方法です。

尿をうまく外に出せなくなる原因

⓵外傷性脊髄損傷 

脊髄損傷の患者さんはほとんどが排尿障害を起こし、自己導尿管理が必要になります。

⓶骨盤内手術後(直腸がんの手術や子宮がんの手術後)

直腸がんの手術や子宮がんの手術で、膀胱を支配する神経を手術で損傷することによって、排尿がうまくできなくことがあります。がんの浸潤などで神経を合併切除した場合は、必ず起こります。

⓷低活動膀胱 膀胱機能低下

最もよくある原因です。何らかの原因で膀胱を支配する神経に異常をきたし、排尿をうまくできなくなったり、膀胱の知覚が低下したりして多量の尿が膀胱に残存してしまいます。原因としては、糖尿病、神経疾患、頚椎症・ヘルニアなどの整形外科的疾患、長年無治療の前立腺肥大症、膠原病、加齢などがあげられます。明確な原因が見つからない場合もあります。

⓸前立腺肥大症

単純に前立腺肥大症により尿の出口が閉塞し尿が出にくくなってしまいます。一時的に自己導尿が必要になりますが、内服治療や手術にて自己導尿をしなくてよくなることがほとんどです。前立腺肥大症の詳細はこちら

自己導尿が必要になる基準は?

尿が全く出ない場合は当然自己導尿が必要になります。尿は出ていても膀胱の中に尿が残存する場合は、超音波検査にて残存する尿を測定し200ml以上の尿が常に膀胱の中に残っているような場合は、自己導尿をお勧めします。

無症状の患者さんもたくさんおられます

普通に考えれば、膀胱の中に200mlも尿が残っていれば、何か症状があると考えますが、このような患者さんは膀胱の知覚つまり尿意が鈍くなってしまっており、400-500ml貯まっていてもなにも症状がないこともよくあります。

なぜ、自己導尿が必要になりますか?

膀胱の中に常に尿が残っていれば、尿路感染症の原因になったり、腎臓機能の低下の原因になります。また、膀胱の中に尿が常に残っていると膀胱は常にのびのびに引き伸ばされた状態になっており、正常な膀胱の収縮力が得られなくなります。自己導尿により常に膀胱を空っぽにしてあげることで、本来の膀胱の機能を取り戻すことができる場合もあり、自己導尿は膀胱機能低下を改善する治療のひとつでもあります。膀胱機能が改善し、尿の残りが減少すれば自己導尿を離脱することもできます。

自己導尿をはじめるにあたって

自己導尿をする上で一番大切なことは「きちんと続ける」ことです。患者さんの中には、少しは自力でおしっこをまだ出せるからしなくてもいいとお考えの方もおり、自己判断で自己導尿をやめてしまう方もおられます。それでは自己導尿をせっかく始めた意味がありません。自己導尿は医師の指示があるまできちんと継続することが、排尿障害の治療にもなりますし、感染予防や腎機能低下を防ぐことになります。

自己導尿の実際

当院では泌尿器科に精通した看護師が丁寧に指導いたします。ほとんどの患者さんは1回の指導で自分でできるようになります。難しい手技ではありませんのでご安心ください。また、ご自分での導尿が困難な場合は、ご家族に導尿の手技を指導いたします。

方法

  1. 手を洗います。
  2. 衣服をさげて導尿しやすい姿勢をとります。
  3. おしっこの出口(尿道口)をきれいに清浄綿でふきとります。
  4. カテーテルを尿道口に挿入します。
  5. 尿が完全に出なくなるまで挿入したままにします。
  6. カテーテルをゆっくり引き抜きます
  7. 使い捨てのカテーテルの場合はカテーテルを捨て、再利用型カテーテルの場合はケースになおします。

女性では外尿道口の位置がご自分ではわかりにくいため、慣れるまでは鏡を用いて外尿道口を見ながら行うように指導します。慣れれば見なくてもできるようになります。

カテーテルの種類

再利用型カテーテルと1回使い捨てのカテーテルの2種類があります。それぞれの患者さんにあったカテーテルをこちらで選択しお勧めします。

導尿回数

自力で尿が出るか否、1日の尿量、残尿の程度によります。膀胱の引き伸びをさけるため、膀胱内に400ml以上ためないようにします。一般に一日3-4回(朝、昼、夕、寝前)より始め、症状の推移、尿量をみながら回数を増減します。

副作用

主な副作用は、カテーテル挿入時の痛みや不快感、尿路感染症ですが、いずれも導尿の導入初期に起こりやすいものです。慣れるに従い副作用はなくなっていきます。導入後1週間は抗生剤投与により感染を予防します。清潔導尿操作を習得した後は、予防的抗生剤投与は不要です。

自己導尿と尿道留置カテーテル(バルーンカテーテル)の違い

尿が出なくなったときの対処法は、自己導尿により自分で尿を外に出すか、尿道から膀胱にカテーテルを留置するかの2択になります。膀胱留置カテーテルを入れてしまえば、尿は勝手にカテーテルから外にでるため膀胱は自力で収縮することはなくなります。よって、今後自力で排尿できるようになることはありません。また常に尿道からカテーテルが留置されていることになり慢性的な尿路感染の原因や尿路結石形成の原因になります。ですから、日常生活に制限がないような患者さんには、まず、自己導尿をお勧めします。

一日のうち大半をベッドの上で過ごされるような患者さんには、介助者の負担軽減も含め自己導尿よりも尿道留置カテーテルをお勧めします。

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