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膀胱がん

当院は泌尿器がん治療のかかりつけ医としての機能をいたします。泌尿器がんでお悩みの患者さんは、お気軽にご来院ください。泌尿器がん治療経験豊富な院長が丁寧に相談にのらせていただきます。

詳細は↓のページをご覧ください。

当院の泌尿器がん診療について~がん治療のかかりつけ医

膀胱がんについて

膀胱がんは前立腺がんに次いで泌尿器がんでは2番目に多いがんです。

また、泌尿器がんの中では最も症状の出やすいがんであり、最もよく出る症状は「血尿」です。「血尿」という症状が出やすいため、比較的早期に見つかりやすいがんといえます。早期発見であれば、致命的になることはありません。膀胱がんの血尿の特徴は、痛みがない血尿です。

痛みがなく眼に見えるような赤い尿が出た場合は、すぐに泌尿器科を受診し検査をうけてください!!

膀胱がんとは?

男性の発生率は女性の約3倍と言われており、年間2万人前後が膀胱がんと新たに診断されています。年齢は60歳以上の中高年に多く、喫煙が膀胱がん発症のリスクとなるといわれています。また、再発を繰り返すことが多いのが膀胱がんの大きな特徴で、治療後も定期的な膀胱内視鏡検査が必要になります。

膀胱がんの診断

①膀胱内視鏡検査

膀胱がんの診断で不可欠な検査です。尿道から胃カメラよりも細い内視鏡ファイバーを挿入し、膀胱の中を観察し腫瘍の有無を確認します。当院ではオリンパス社製の膀胱内視鏡システムを導入しており、がん拠点病院と同じクオリティーでの検査が可能です。(→当院の膀胱内視鏡システムの詳細はこちら

②腹部超音波検査

大きな腫瘍であれば超音波で発見できることもありますが、膀胱内視鏡による確認は必須です。超音波では主に腎臓の状態を確認します。

③尿細胞診

尿の中にがん細胞が混じっていないかを調べる検査で、尿を採取して調べます。膀胱がんでは必須の検査です。

④造影CT検査

膀胱がんがみつかった場合、腎盂や尿管といった膀胱よりも上流の尿路にも、がんがみつかることがあります。腎盂、尿管を詳しく調べるために必要な検査です。

⑤膀胱MRI検査

膀胱がんの深達度を手術前に確認する際に必要になります。

膀胱がんの深達度

膀胱がんは膀胱の内腔にどれだけ派手に大きくなってもあまり影響はありません。重要なのは腫瘍の根っこの深さが重要です。根っこの深さは、後に述べる内視鏡手術にて腫瘍を切除し、病理検査で顕微鏡で診断することになります。根っこの深さから次の2種類に分けられます。

①表在性膀胱癌

根っこが図の膀胱粘膜上皮や間質にとどまり、筋肉に到達していない膀胱がんです。

表在性膀胱がんは、内視鏡手術のみで治療が終了します。ただ、切除した腫瘍の詳しい病理検査で筋肉ギリギリまで根っこがいっているような場合は2度の内視鏡手術が必要になる場合があります。

表在性膀胱癌の一番の特徴は再発をしやすいということです。内視鏡手術を何十回も行っている患者さんも少なくありません。ですから、内視鏡手術後も3か月に1回程度は外来にて膀胱内視鏡検査を行い、再発がないかをチェックする必要があります。

表在性膀胱癌の再発予防

再発を予防する治療として、BCG膀胱内注入療法があります。BCGとは昔でいうハンコ注射で結核のワクチン接種に使用されているものです。尿道から細い管をいれ、そこからBCGを膀胱の中に注入する治療法です。1週間に1回 6回程度行うのが標準です。

 

②浸潤性膀胱がん

内視鏡手術にて筋肉までがんが到達していることが分かった場合、浸潤性膀胱がんと診断します。膀胱の粘膜を超えて、筋肉まで浸潤するような膀胱がんです。筋肉を超えてさらにその外の脂肪層まで到達する場合もあります。

浸潤性膀胱がんは、他の臓器やリンパ節に転移することがありますので、まずは画像診断で転移の有無を確認します。転移がなければ、抗がん剤を2-3か月間投与したあとに膀胱全摘手術が必要になります。転移がある場合は、抗がん剤治療を継続して行うことになります。

膀胱がんの治療

①内視鏡手術~経尿道的膀胱腫瘍切除術

膀胱がんが見つかれば、まず行う必要のある手術です。全身麻酔もしくは腰椎麻酔にて、尿道から内視鏡を挿入し、膀胱の中で電気メスを用いて腫瘍を切除します。切除した腫瘍を病理検査に出して、顕微鏡で詳しく検査し、膀胱がんの深達度を診断します。約1週間程度の入院が必要になります。

表在性膀胱がんであれば、内視鏡手術のみで治療が完了となります。

浸潤性膀胱がんであれば、さらなる治療が必要になります。

②膀胱全摘術

膀胱がんの根治手術です。転移のない浸潤性膀胱がんの場合、抗がん剤を2-3か月投与した後に、膀胱全摘術が必要になります。

現在は前立腺がんと同様、Da vinciという手術支援ロボットで行うことが多くなりました。

膀胱を摘除しましたら、尿の通り道を再建しなければなりません。これを尿路変向といいます。尿路変向には大きく分けて2つあり、ストーマという袋を体に装着して袋に尿を出す方法(人工肛門の尿バージョン)と小腸を使用して新たに膀胱を作り、それを尿道とつなげて尿道から排尿できるようにする(体に袋がつかない)方法の2種類があります。

がんの状態や患者さんの身体条件などを考慮して、どの方法にするかを決定します。

③転移のある浸潤性膀胱がんの治療

転移がある場合は手術は困難です。第一選択は抗がん剤治療になります。抗がん剤の効果が著明にある場合は手術を行うこともあります。現在、転移のある膀胱がんの治療薬は、抗がん剤以外の新しい治療薬である免疫治療の薬剤が多く治験されており、今後の転移性膀胱がんの治療に寄与できる可能性が出てきました。

 

文責 みうら泌尿器科クリニック院長 三浦徹也(日本泌尿器科学会専門医)

 

 

 

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