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腎盂尿管がん

当院は泌尿器がん治療のかかりつけ医としての機能をいたします。泌尿器がんでお悩みの患者さんは、お気軽にご来院ください。泌尿器がん治療経験豊富な院長が丁寧に相談にのらせていただきます。

詳細は↓のページをご覧ください。

当院の泌尿器がん診療について~がん治療のかかりつけ医

腎盂尿管がんについて

腎盂尿管がんは、基本的には膀胱がんと同じ性質のがんです。腎盂がん、尿管がん、膀胱がんとも尿の通り道である「尿路」にできるがんであり、この3つを合わせて尿路上皮がんと呼ぶこともあります。

尿路とは

図のように、尿は腎実質で産生され、腎盂へ濾し出されます。その後、尿管という細い管を通って、膀胱まで達します。このように尿の通り道である腎盂・尿管・膀胱を尿路といい、これらは尿路上皮という同じ性質をもった粘膜でできています。そして、これらにできるがんも尿路上皮がんという同じ性質をもったがんができるということになります。

一方、腎実質にできるがんもあります。腎実質は尿を産生する工場であって尿路ではありません。腎実質にできるがんは、腎がんといって、腎盂・尿管・膀胱にできるがんとは全く性質の異なったがんです。→腎がんについてはこちら

腎盂・尿管がんと膀胱がんの違い

腎盂・尿管がんは尿路の上流の方にできるがんで上部尿路がんとまとめることもあります。腎盂と尿管には明確な境界はなく、腎盂がんと尿管がんは基本的に同じものと考えても差し支えありません。それでは、腎盂・尿管がんと膀胱がんの違いは一体何でしょう。

膀胱がんとの一番の違いは、「診断の難しさ」です。膀胱がんは膀胱内視鏡検査を行えば、すぐに診断できます。しかし、腎盂・尿管がんは膀胱内視鏡では分かりません。診断はCT検査が有用ですが、CTでも診断ができないこともよくあります。腎盂、尿管へ到達できる内視鏡として、腎盂尿管鏡という特殊な細い内視鏡があります。しかし、この腎盂尿管鏡検査を行うためには、全身麻酔や腰椎麻酔が必要で内視鏡検査だけで入院が必要になります。つまり、腎盂尿管がんは診断することだけで一苦労で診断が非常に難しいがんの一つです。

もう一つ膀胱がんとの大きな違いとして、「内視鏡手術ができない」ことがあげられます。膀胱がんでは内視鏡手術で腫瘍を切除できますが、腎盂尿管がんは現在の技術では内視鏡で腫瘍を完全に切除することは不可能です。内視鏡でできるのは生検といって組織を一部採取し、がんかどうかを調べる検査のみです。ですから、腎盂尿管がんと診断されれば、がんの浸潤度にかかわらず、腎臓と尿管をすべて摘除する手術をしなければなりません。

腎盂・尿管がんの症状

腎盂・尿管がんでおこる症状は、「血尿」です。血尿以外の症状はあまりありません。また、人間ドックなどで行うPET検査やCTの検診でもよほど大きながんでない限りは発見することが困難であり、血尿が出ない限り初期の段階で見つけることは困難ながんです。初期の段階でみつかるケースは、運よく肉眼的血尿が出て早期に泌尿器科に受診した場合や、検診などで尿潜血を指摘され泌尿器科を受診し精査された場合がほとんどで、知らぬ間に進行して進行がんの状態でみつかるケースも多くあります。泌尿器がんの中では見付かりにくいがんということになります。

腎盂・尿管がんの診断

先ほども述べた通り、腎盂・尿管がんは診断が非常に難しいがんです。

診断に用いる検査としては以下のものがあります。

①尿検査、尿細胞診

②超音波検査

③造影CT検査

④逆行性腎盂尿管造影 

⑤腎盂尿管鏡検査

①~③だけで診断できる腎盂・尿管がんは非常に少ないです。ほとんどの場合は④、⑤の検査が必要となり、④は腎盂・尿管にカテーテルという細い管をいれて行う検査です。④でも診断できない場合は、上に述べたように麻酔をかけて入院で⑤の腎盂尿管鏡検査を行う必要があります。

腎盂・尿管がんの治療

転移がない場合

腎尿管全摘術

腎盂・尿管がんは内視鏡での切除ができないと述べました。ですから治療としては根治切除術しかありません。尿管がんなのに腎臓も一緒にとらないといけないの?という質問をよく耳にします。尿管をがんのある場所だけ摘除して、つなぎ直すという手術も考えられなくはないですが、腎盂・尿管がんの場合は、一部にだけがんがあることは稀で、腎盂、尿管の複数個所にがんができていることが多く、尿管の一部だけ摘除するのはがん残存のリスクが高く通常は行いません。また、腎盂だけでなく腎実質も同時に摘除しますが、これは腎実質から腎盂だけくり抜くようなことは不可能なので、腎臓まるごと摘除するしか方法がないからです。以上、転移のない腎盂・尿管がんでは、がんが腎盂、尿管のどこにできていようが、腎臓と尿管をすべて摘除する腎尿管全摘術を行うことになります。

腎尿管全摘術は、腹腔鏡手術で行います。通常10-14日間の入院で治療が可能です。

手術後のフォロー

腎盂・尿管がんは手術後の再発のフォローが非常に大切です。とういうのは、腎盂・尿管がんの手術後に膀胱にがんが再発することが頻繁にあるからです。尿の流れは腎盂、尿管から膀胱に流れていきます。ですから、腎盂尿管がんの患者さんの膀胱は、がん細胞が混じった尿を貯めていたことになり、手術で腎臓と尿管を取り除いても、その後膀胱に再発して膀胱がんとして治療しなければならないことがよくあります。腎盂尿管がんの術後は、膀胱にがんができていないかを定期的に膀胱内視鏡検査を行いフォローしていかなければなりません。膀胱がんと同じで通常3か月に1回程度は膀胱内視鏡検査を外来で行う必要があります。

転移がある場合

転移がある場合は、膀胱がんと基本的には同じ治療となり、抗がん剤による治療が必要になります。

 

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