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男性更年期障害でお悩みの患者さんへ

男性更年期障害の治療は保険適応です。採血によるテストステロン(男性ホルモン)測定や各種検査、テストステロン補充療法はすべて保険診療で可能です。(40歳以上の患者さんに限ります。)自費診療では費用負担が大きくなり、検査も限定的な検査のみとなる恐れもありますので、保険診療が可能な専門的知識を持った医療機関での治療をお勧めします。(当院は、日本Men's Health医学会テストステロン治療認定医の施設です。)

 

最近疲れやすい、やる気がでない、イライラする、集中力がもたない、眠れない、性欲が下がった、ED(勃起不全)になった

こんな症状のある男性の方、更年期障害かもしれません。男性にもあるんです、更年期障害が!!

更年期障害といえば、女性を思いだします。しかし、最近では男性にも更年期障害があることが分かってきました。男性更年期障害は別名LOH症候群といい、LOHとはlate−onset hypogonadismの略で、遅れてやってきた性腺機能低下症という意味です。つまり、加齢による男性ホルモンの低下により様々な症状を引き起こすことを男性更年期障害といいます。この点では閉経前後の女性ホルモンの低下により起こる女性の更年期障害とおなじように思いますが、女性の更年期障害は閉経後ホルモンバランスが安定すれば多くの場合自然に回復していきます。しかし、男性の更年期障害は待っていても回復しないのが特徴で、男性ホルモンを注射で補充することしか方法がありません。

男性更年期障害は何科にいけばいい?

「症状から男性更年期障害を疑うんだけど、どこに受診すればよいか分からない」という患者さんも多くいると思います。女性の更年期障害は迷わず婦人科に受診されると思いますが、男性更年期障害に関しては疾患自体の知名度も低く、何科にいくのか迷われるのだと思います。男性更年期障害を専門的に診断・治療しているのは「泌尿器科」です。ただ、すべての泌尿器科で対応しているとは限りませんので医院HP等でご確認ください。泌尿器科の医師を中心に男性更年期障害を専門的に研究している学会に、日本Men's Health(メンズヘルス)医学会という学会があります。→日本メンズヘルス医学会のHPはこちら)この学会に所属している施設ではより専門的に治療を受けられますので、各医療機関のHP等でチェックするか日本メンズヘルス医学会HPの全国メンズヘルス外来一覧(→メンズヘルス医学会全国メンズヘルス外来一覧はこちら)から検索してみてください。(男性ホルモン(テストステロン)補充治療は、男性更年期障害の患者さんの症状を改善できる素晴らしい治療ですが、副作用のモニタリングや前立腺への影響などを定期的に検査する必要があります。より安全に治療をしていくために、専門的知識を持った医療機関での治療をお勧めします。

男性更年期障害の症状はうつ病と似ている

男性更年期障害の患者さんは約600万人とも言われています。原因として、「ストレス」が大きく関わっていることが分かってきました。強いストレスが長時間続くと、脳のほうから精巣に男性ホルモンを出す指令が出なくなり、男性ホルモンが減るのです。ストレス社会となっている現代では珍しい病気ではありません。

同様にうつ病の患者さんも増加しています。上記のような男性更年期障害の症状はうつ病でも起こりうる症状ですので、男性更年期障害とうつ病は症状が似ています。最近では企業の健康診断で義務化された「ストレスチェック」では、男性更年期障害の患者さんは高ストレスと判断されやすくなり、心療内科の受診を勧められ、「うつ病」と診断される可能性もあります。一部の抗うつ剤には男性ホルモンを減少させてしまう薬もあり、症状の悪化につながるので注意が必要です。

男性更年期障害は、採血で男性ホルモンを測定すればすぐに診断できます。上記のような症状に心当たりがあれば当院を一度受診してみてはいかがでしょうか。

男性更年期障害は男性ホルモンの補充治療で改善が見込めます!

疲れやすい、集中力がもたない、イライラする、やる気がでない、性機能が低下した、などの症状をお持ちの方やうつ病の治療をしているが症状が改善しないような方は、一度男性ホルモン(遊離テストステロン)を採血で測定することをお勧めします。男性更年期障害であれば、男性ホルモンを注射剤で補充すれば速やかに症状が改善することが多いです。当院では、40歳以上の患者さんは保険診療で検査・治療を行うことを原則としています。以下に男性更年期障害の治療の流れを解説します。

男性更年期障害の治療の流れ

①上記の症状で当院を受診されましたら、まずは男性更年期障害の症状の質問票をお渡しし、重症度の判定を行います。(当院ではweb問診にて質問票の記入をすることが可能です。)

男性ホルモンの採血、および男性ホルモン補充療法を行えるかどうかの判定に必要な採血、具体的には糖代謝(糖尿病)、脂質(高脂血症)、赤血球(多血症)、肝臓機能、腎臓機能などを測定します。また、男性ホルモンを補充すると前立腺がんを悪化させますので、前立腺がんが潜んでいないか調べるために前立腺腫瘍マーカー(PSA)の測定も行います。

超音波検査を行い前立腺肥大症がないかを確認します。男性ホルモンを補充しますと前立腺が肥大することがあるため、定期的に超音波検査で前立腺の容積を測定します。

④約1週間後に採血の結果がでます。男性ホルモン(遊離型テストステロン)の値が11.8未満の場合、注射による男性ホルモンの補充を行います。男性ホルモンが正常であれば、男性更年期障害ではないため、心療内科等の受診をお勧めします。

⑤男性ホルモン補充療法

当院では注射剤であるエナント酸テストステロン125㎎~250㎎を2~4週毎に筋肉注射します。(投与間隔は症状により変わります)

⑥その他の薬物治療

当院では漢方薬による治療にも力を入れています。患者さんの症状にあわせて最適な漢方治療を併用します。

男性更年期の漢方治療としては、倦怠感などの「からだの症状」が主体の場合は補中益気湯、イライラ感や不眠など「こころの症状」が主体の場合は柴胡加竜骨牡蛎湯などを使用します。また、排尿障害なども併発している場合は八味地黄丸、牛車腎気丸を使用することもあります。

また、性機能障害(ED)がある場合は、ED治療薬を併用します。→ED治療についてはこちら

男性ホルモン補充療法ができない患者さん

以下の併存疾患のある患者さんには男性ホルモン補充を行えません。

●前立腺がん 乳がん

●重症の前立腺肥大症

●多血症

●重度の腎機能不全 重度の肝機能障害

●うっ血性心不全 重度の高血圧症

●夜間睡眠時無呼吸

●抗凝固剤内服

前立腺腫瘍マーカーPSAの値に関しては、治療前PSAが2.0ng/ml以上であれば、原則男性ホルモン補充は行いませんが、2.0ng/ml以上4.0ng/ml未満では慎重に適応を検討します。

男性更年期障害の治療にかかる費用

男性更年期障害の治療に関しては、基本、保険診療で行うことが可能です。

自費診療で行っているクリニックもありますが、当院では保険診療で治療を行います。場合により保険審査がおりない患者さんもおられ、その場合は自費診療になることがありますのでご了承ください。自費診療になりましても、高額な費用はかかりませんのでご安心ください。毎回高くても数千円の範囲内ですむように努めます。

 

文責 みうら泌尿器科クリニック院長 三浦徹也(日本泌尿器科学会専門医、テストステロン治療認定医)

 

 

 

 

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